緯度の高い地域に住む人間はそれだけで損をしているという話
雪舞う朝の通学途中、私は大学のバス停で構内を循環するバスを待っていた。バスが来るまで5分ほどある。スマホを取り出しバッテリーを見ると7%と表示されていた。これくらいなら5分くらいもつだろうと思いSNSのアプリをタッチした瞬間、スマホがシャットダウンを始め、電源が切れてしまったのだ。おそらく気温のせいだろう。スマホにはリチウムイオンバッテリーが搭載されており、電力が消費されるにつれて電圧が下がり、電圧が一定値以下になるとシャットダウンされるようになっている。また、周囲の温度が低いほど電圧が下がることがわかっている。つまり、氷点下の気温の中で私がスマホを使用した結果、シャットダウンが起こるほどにバッテリーの電圧が低下してしまったのである。
私はこの現象を目の当たりにしたとき、緯度の高い地域に住んでいる人間はそれだけで損をしているのだなと思った。もしここが東京だったら雪も降っていないだろうし、スマホの電池もバスが来るまでもっていただろう。そもそもバスに乗る必要さえなく自転車で通うことができたはずである。寒さに耐えるためにエネルギーを消費することもない。また、緯度が高くなるほど陽の光をあびることができなくなるためうつ病になりやすいという研究結果もある。( Patten SB, et al. Can J Psychiatry. 2016 Oct 11. [Epub ahead of print] )要するに緯度の高い地域に住むことは合理的ではないのだ。
私は一刻も早くこの地域から脱出し、温暖な地域に住みたいのである。
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