北大理系大院生の研究生活

大学生・院生向けの有益情報(研究・お金)の提供、研究日記、読んだ本の紹介。

夜中に実験するのは愚策

 急に研究に対するモチベーションが高まり、昨日僕は夜遅くにひとり実験していた。

その日の実験は実験装置にサンプルをセットし、細かな条件を設定すればあとは装置が自動的に処理をしてくれるのを待つというものだった。

僕はいつも通りサンプルをセット、条件設定し装置のスタートボタンを押した。あとは装置の処理が終わるの待つだけなので、居室に戻った。

約2時間後、装置の稼働が終わる時間になり、サンプルを取りに実験装置を見に行った。

装置から取り出したサンプルを見たとき、僕は驚いた。いつも作製しているサンプルと明らかに色が違うのだ。動揺した僕は実験装置の設定条件を見直した。その結果いつもなら50℃に設定していた温度が、なぜか100℃になっていた。

なぜ100℃になっていたかといえば、僕が温度設定を変えるのを忘れていたからであり、前回の使用者が設定した温度のままになっていたからだった。

僕の注意力の散漫が招いた結果だった。

 

夜中の実験は精神や肉体が消耗しているため、注意力散漫になりやすい。また生活リズムが崩れ、健康にも良くない。さらに、周りに人がいないため事故があっても誰も助けてくれないため大変危険である。

つまり、夜中に実験するのは愚かな行為なのである。

僕はそのことをわかっていながらも、つい、行ってしまい、そして実験を失敗した。

サンプルに生じた変化は不可逆的なものであり、元に戻すのは不可能であり、結局サンプルを作り直す羽目になってしまった。

 

スケジュールや実験内容の都合上、どうしても夜中に実験をする必要がある場合もあるが、そうでない場合は絶対にやめましょう。