北大理系大院生の研究生活

大学生・院生向けの有益情報(研究・お金)の提供、研究日記、読んだ本の紹介。

奨学金返還免除内定制度

先日事務から奨学金返還免除内定制度の案内があった。

なんでも修士課程のときの業績をもとに選定を受け、見事推薦枠を勝ち取れば博士課程で借りているJASSO奨学金の返還免除の内定が得られるらしい。

私が所属している大学院での推薦枠は一人らしいので厳しい戦いにはなると思うがとりあえず申請はしておこうと思う。

 

奨学金返還免除内定制度の詳しい制度内容については下記参照

返還免除内定制度 | JASSO

 

奨学金返還免除

 日本学生支援機構奨学金には成績次第で返還が免除されるという制度があり、修士課程の約3割、博士課程の場合は約4割が返還免除に採用されている。学業成績次第により全額返還免除と半額免除に分けられ、私の場合は半額免除が適用され、修士課程の二年間借りていた奨学金211万の半額、約105万円を返還する必要がなくなった

奨学金返還免除に採用される基準は概ね以下の通りである。

①GPA

②原著論文数

③学会発表回数

④特許数

⑤受賞数

⑥TA・RA業務数

 

なお、②の原著論文は雑誌の格は評価されない。共著者でも構わない。③の学会発表は国内よりも国際学会のほうが評価される。

詳しい評価基準は下記参照。

特に優れた業績と評価方法 | JASSO

 

参考までに私の成績を載せておくので参考にしてほしい。

①GPA: 3.7/4.0

②原著論文数: 1

③学会発表回数: 国内学会:6, 国際学会:3

④特許数: 0

⑤受賞数: 1

⑥TA・RA業務数: 5

 

返還免除を勝ち取る戦略としては、最も評価ポイントの高い②の原著論文をより多く出すことが有効である。そのため、早期に指導教員に相談し、先輩方の研究を手伝い論文の共著に入れてもらうのがいいだろう。学会に多く参加させてもらうのもいい。

他人ではなく自分の行動を変えるほうが合理的という話

 我々が抱えている問題のほとんどは他者が存在することにより発生している。しかし、自由意志を持った他人の行動を変えさせるのは困難であり、彼らを自分の思い通りにしようとすると、さらなるメンタルの悪化を引き起こしかねない。ゆえに他者を変える努力に注力するのではなく、自分の行動を変える努力をしたほうが問題解決の方法として有効である。

 

具体的には、

・研究室がうるさいなら作業場所を変える。

・実験装置の予約がいっぱいなら休日に実験する。(その代わり平日のどこかに休みを設ける)

・共用の溶液、実験器具等を使用するのを辞め、自分専用のものを用意する。

など。

 

問題の解決そのものよりも自分と他者の損得の感情を優先するのであればこの限りではない。

 

 

 

3回北大・日立協働教育研究支援プログラム公募開始

第3回北大・日立協働教育研究支援プログラムの公募が開示された。

公募期間

 2021年11月5日(金)~2021年11月26日(金)

応募要件

(1)修士課程1年(M1)。
(2)対象分野
 ①「農業・食料」(土壌改良,ゲノム編集作物,農業・食料 など)
 ②「環境・宇宙」(衛星,気象,気候変動 など)

4.支援内容

 標準修業年限の3年間(博士課程在学期間中)以下のとおり支援を行う。
 (1)奨学金
  月20万円を毎年4月(上半期分)と10月(下半期分)の2回に分けて支給。

 

詳細はこちら

www.hokudai.ac.jp

iPadによる論文の管理

 先日アンビシャスフェローシップの研究費でiPad Air、ApplePencilを購入した。

早速、アイデアメモ、論文の管理、研究日誌として活用している。

論文のPDFデータはグーグルドライブに保存してあり、それをGoodNotesというアプリから読み出すことで、論文に直接書き込みができるため管理が大変快適になった。また、iPad1つで大量の論文を持ち運べるようになり、実験のちょっとした合間に読めるようになったことで研究効率が大きく向上した。アイデアメモ、研究日誌もGoodNotes1つで行えている。

課題はiPadで読み書きした論文をPCと紐づけるのがあまりうまくいっていない点。今後はもう少しスマートな使い方を探してみるつもり。

 

 

 

 

【悲報】北大のオープンファシリティサーバー、逝く

 今日の午前中から北大のオープンファシリティのサーバー障害が起こっている。

オープンファシリティとは大学構成員なら登録すればだれでも使える共同利用設備のことである。そのサーバーに障害が起こり、ウェブサイトに入れなくなってしまった。ウェブサイトに入れなくなるとどうなるかというと、共同利用設備の予約ができないということであり、共同利用設備が利用することができなくなるということである。オープンファシリティは北大の理系のほとんどの研究室が利用しているだろうから、その研究の多くがストップすることを考えると、被害は甚大である。私も例にもれず、オープンファシリティが使用できなくなったことで研究の進捗に支障をきたしてしまった。現状復旧のめどはたっていないとのことであるが、原因は何だろうか。

ともあれ今は論文を読んだり研究計画を立てるなどできることをやるのみである。

 

 

 

 

 

教授、ゼミ中に怒りの発露【ブラック研究室】

以下の話はフィクションです。

 

 私が所属する研究室では週に一度研究の進捗報告をするゼミがある。

現在は新型コロナの流行によりオンライン会議システムを使用してゼミを行っていた。

教授は研究が進んでいる学生や、学部生などの研究経験が浅い人間には優しい態度でせっするが、それ以外の人間つまり研究が進んでいない大学院生にはあからさまに厳しい態度になるのである。そして今回は特にひどかった。

事のあらましは以下のとおりである。

 博士課程の留学生の発表が終わり(これも教授の詰るような態度がひどかった。留学生の自業自得の面もあるが)、博士の日本人の学生がパワポ資料を用いて研究の進捗の発表を始めた。スライドの3枚目の説明が終わり、次のスライドに移ろうとしたとき、教授の発表中断する一声がイヤホンを通して僕の耳に届いた。

教授「あのさあ!」

発表者「はい。」

教授「はっきり言って意味ないですよ!こんな実験。君は前回○○○○という結果だから今回の実験を行いますといったけど、この結果と考察じゃあ前回言ったことと全然違うじゃないですか!これじゃ意味ないですよ!」

発表者「えとあの、それはこうこうこうで~という理由で今回の実験を行いました」

教授「いやだからさあ!これまでの結果では○○○○で、××××ということだったということでしたよねえ!だから今回の実験をやる意味がないと言ってるんですよ。はっきりいって」

発表者「すみません」

教授「君は前から同じような実験を何度も繰り返しているけど、私には君の行動が理解できない!それじゃいつまでたっても論文なんて書けないですよ!はっきり言って。君には失望したよ」

 

その後助教のフォローが入り、教授の怒りの感情表現は終了した。

僕は一部始終をみていて気分が悪くなった。自分でなくても人が怒られている様子を見るのはつらいものがある。

 

教授が言っていることはおおむね正しいものであったが、やはり伝え方というものがあるだろう。アドバイスするのに怒りという感情は不要である。